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もうひとつのスーダン 川原尚行医師の挑戦

日 程 7月1日(火)から7月31日(木) 9時〜19時
場 所 汐留メディアタワー3階 ギャラリーウオーク
    会期中無休 無料

日本の約6.6倍、アフリカ大陸最大の国土を有するスーダン共和国。
英国、エジプトの共同統治から1956年に独立したが、その直前から2度に渡る長期の南北の内戦に苦しんできた。
広大な国の南北では、宗教も違えば、休みも違う。様々な部族も混在する。
北は主にイスラム教で休日は金曜日、中心都市はハルツーム(首都)。
南は主にキリスト教で休日は日曜日、中心都市はジュバだ。
スーダン西部・ダルフールでは今も南北の紛争が続いている。
2005年1月には南北内戦の包括和平協定が成立したが、西部ダルフールでは今も紛争が続いている。
そのスーダンで医療活動を続ける日本人医師がいる。
彼の名は川原尚行。42歳。
1998年に在タンザニア日本大使館の医務官として赴任、続いてスーダン大使館に。医務官としてスーダンの現状を見て直接患者を診察するため2005年1月、外務省医務官を辞職。
スーダンで取得した医師免許だけで活動を開始したのは2005年4月。
2006年5月には「NPOロシナンテス」を設立。 2007年3月からは首都ハルツームから南東に約500km離れたエリトリア国境近くのシェリフ・ハッサバーラという小さな村にロシナンテス診療所を開設。マラリア発症が他地域に比べて多く、しかも無医村だったこの村での診療所開設の意味は大きい。
朝から深夜まで診療は続く。時間が空いた時には巡回診察にも出かける。そこにはまたベッドに横たわりマラリアで苦しむ女性の姿。
彼の活動は診療所の診察だけにとどまらず、日本の中古医療器具や中古救急車を活用、小児科医療の充実、協力、そして日本の養護学級との交流。スーダン医師・看護士の日本への医療研修招聘。逆に日本医学生のスーダンでの現地研修への受け入れ。スーダン北部メロエでのデェイツ(ナツメヤシ)の植樹活動、砂漠化する土地での産業を模索する為の生命力に優れているケナフ農場(紙原料となる植物)への挑戦、そして病気予防に最も大切な水質浄化への取り組み。
医療・環境・農業・文化・教育という幅広い形で、スーダンの人々との共同作業を行なっている。

診療の合間に村を散歩する。
木陰で休む村人らが笑顔で声をかけてくる。
「ドクトル・カワハラ・・・お前は良い奴だ。サディーク、クワィス・・・最高の友だちだ」
疲れた身体に充実感が染み渡っていく。

ひとりひとりを献身的に診察していく日々、川原尚行医師の挑戦は今日も続いている。

ダルフール紛争ということ以外は、一般 に知られることのないスーダン。
内戦・紛争で生命が奪われていく現実のなか、ひとつひとつの生命を救いあげていく「もうひとつのスーダン」がある。
写真・文 内藤順司